10 10月 2016

任天堂「マリオ」への期待感と足下の不安要素

米アップルが9月7日に開いた新製品発表会で、任天堂がiOS向けに「スーパーマリオ」の新作を12月に配信することを発表しました。同時に、腕時計型端末「アップルウオッチ」が位置情報ゲーム「ポケモンGO」に対応することも明らかにしました。この発表を受けた任天堂は8日、株式市場の主役に躍り出ました。今回発表された新作「スーパーマリオラン」は、同社にどのような影響をあたえるのでしょうか。iPhone7の機能が事前予想通りだったこともあり、サプライズを独り占めしたのが「マリオ」です。任天堂はこれまでスマートフォンをプラットフォームとしたゲームを出さず、ゲーム専用機向けに集中してきました。スマートフォンの爆発的な普及によって新たなモバイルゲーム市場が生まれましたが、マリオやポケモン、ゼルダといった世界的に愛されるキャラクターがスマホゲームで姿を見せることありませんでした。同社の経営陣は、モバイル市場への進出がゲーム専用機の売上を侵食することになる、と主張していました。そうして新しい市場の拡大に取り残されることになり、任天堂は2014年までの3年間に渡って赤字を計上、株価は50%近く下落しました。しかし、株主からの強い要求もあり、ようやく昨年になりDeNA <2432> との提携を発表し、モバイル市場への参入、及び、知的財産をライセンス供与することを決め、誕生したのがポケモンGOであり、スーパーマリオランです。 ついに、任天堂のスマートフォン戦略が本格始動したわけです。

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